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初日からレッスンは夜遅くまで続いて足が棒のようになりクタクタ。
ホテルに戻り一刻も早くベッドに倒れ込みたい気分でしたが、トレーナーが私の手を持ち自宅に
誘ってくれました。
子供達や家族、親戚の方々総勢十数人が笑顔で迎えてくれました。
テーブルには見たこともない料理や野菜、飲み物がいっぱいに並べてありました。
スプーンやフォークも用意されていましたが、使う人は誰もいません。
本来臆病な私は、旅先での食事には慎重です。
生水や生野菜は食べないようにしていますし、ホテルで出てくるフォークなども一度ナフキンで
そっと拭いてから食べるタイプですし、もちろん手で食べることはありません。
でも、この場で私だけがスプーンを使うのも何か不自然な気がしたのです。
バリニーズマッサージはバリの文化や思想と密接に関連しています。
その真髄を理解したいと思うなら、バリの人々と同じ空気を吸い、同じものを食べ、同じ時間を
共有することが大切なのではないか???と笑顔で応対しながらも頭の中はぐるぐると色んな思いを巡らせながら私は覚悟を決めました。
(大袈裟ですが。。。)
フィンガーボールの水は大丈夫だろうか。という不安を押し殺し、皆と同じように指で魚の身をほ
ぐし、恐るおそる当時は得たいの知れないものにみえたチリ(トウガラシで作った調味料)と
ご飯をからめて口に運びました。
「・・・・・美味しい~!」
その料理はとびきり美味しかったのです。
こうして私のバリでの修行生活は始まったのです。